人形で忠実に再現された「佐渡金山絵巻」採掘の現場
江戸金山絵巻・宗太夫坑コースでは、江戸時代初期に手掘りで作られた坑道を見学できる。本物の坑道に等身大の人形を配し、史料「佐渡金山絵巻」を基に採掘の様子を忠実に再現した。12の坑道が場面別に分かれ、それぞれに作業工程が紹介されている。鉱脈を求めてアリの巣のように掘りめぐらした狭い坑道、過酷な環境での手作業の重労働、江戸時代の抗夫たちの風俗や習慣など、当時の鉱山労働の様子がわかりやすく展示されている。400年前でありながら羅針盤測量器を用いた測量をしているなど、高度な技術で採掘していたことが伺える。鉱山労働の中で生まれた神事芸能「やわらぎ」の場面では、岩壁に流れる鉱脈を背に行われた儀式が再現されている。山の神の心をやわらげ、鉱脈も柔らかくなることを祈り、金山の安全と繁栄を願い神事が捧げられていた。坑内の見学所要時間はおよそ30分。気温は10℃前後と冷えているため、真夏でも長袖や上着の用意を。
時価6,000万円の金の延べ棒つかみにチャレンジ!
坑道から出ると展示室がある。第一展示室では、採掘後に運搬され、選鉱、製錬を経て貨幣に鋳造される過程が、人形による精巧なジオラマで紹介されている。第二展示室では、佐渡金山の鉱脈全体図などに加え、実際に製造された小判が展示されている。人気を集めているのは時価6,000万円の金の延べ棒つかみ。限られた大きさの穴から手を通し、金の延べ棒を取り出すゲームだ。純度99・9%、重さ12.5㎏のゴールドバーに触れ、本物の金の重さや手触りが実感できる。坑道、展示室合わせての見学所要時間はおよそ60分。