乳白色に濁る、日本を代表する名湯
長野県のほぼ中央に位置する信州・松本市。その西に位置する霊峰・乗鞍岳の東側山腹に湧き出ているのが、白骨温泉だ。鎌倉時代に湧出したと言われ、600年以上の歴史を持つ。泉質は肌に優しい弱酸性で、白く濁った湯が特徴。湧き出した時には透明な湯が、時間の経過とともに乳白色に染まる珍しい温泉だ。硫黄と炭酸成分が多く含まれる湯には、血管を拡張し身体を芯から温めてくれる効果が。特に胃腸病に効果があり、「3日入れば、3年風邪をひかない」とも言われている。また、飲湯もおすすめ。消化器系の臓器の働きを良くするとともに、便秘解消の効果も期待できるという。
宿ごとに異なる源泉を巡るのも、一興
白骨温泉には10箇所もの源泉があり、それぞれ微妙に異なる湯の質や色、香りが楽しめる。温泉街には9軒の旅館・ホテルと1軒の共同野天風呂があり、湯めぐりをするのもおすすめ。ただし湯あたりすることもあるので、1日につき3回の入浴を目安にしよう。温泉といえば男女別々という場合が多いが、泡の湯旅館では雄大な露天風呂で混浴が楽しめる。温泉が白濁しているため、身体が見えることもなく安心。しかも女性専用の出入り口から直接、大露天風呂の湯に続く階段で入湯できるため、女性でも入りやすい。露天を満喫したら、内湯もお忘れなく。37度℃程度の源泉かけ流しのぬる湯は、まるで眠ってしまうような心地よさ。“泡の湯”の名のとおり、入ったとたん身体にふわふわの泡がまとわりつく通好みの温泉だ。