長い歴史を感じさせる厳かな聖地
京都を流れる鴨川と高野川に挟まれた三角地帯に位置する、世界遺産・下鴨神社(賀茂御祖神社)。古くより導きの神、勝利の神としての信仰があり、事始めの神社としても知られている。本殿は、東西二棟から構成。左に古代の京都山城を開かれた神さま賀茂建角身命、右にその子どもである玉依媛命を祀っている。「流れ造り」と呼ばれるこの建物は、国宝に指定。1863年に再建されたものではあるが、厳かな雰囲気が聖地としての威厳を感じさせる。
縁結び、安産、子育ての神さまも
他にも境内には、多彩な神さまが祀られている。下鴨神社の楼門そばにある「相生社」は、縁結びの神さまだ。注目は、2本の木が途中から1本に結ばれている「連理の賢木」というご神木。この木には、縁結びの神の力で結ばれたという不思議な言い伝えがある。この木が枯れると境内で、同じように結ばれた木が見つかるとか。この縁結びのご神木は、「京の七不思議」のひとつとされている。そして、女性に人気のスポットが「河合神社」だ。ご祭神は女性の守護神である玉依姫命。古くから女性の美の神様として信仰されており、安産・育児・縁結び・学業・長寿の神様ともいわれている。 河合神社の絵馬は「鏡絵馬」といい、日本古来の柄鏡の形をしている。他の神社ではあまり見ることができない、珍しい絵馬だ。顔の描かれた絵馬の表面を自分の顔と見立て、自分のメイク道具で化粧して祈願。化粧品を持っていなくても、クレヨンが用意されている。 下鴨神社の周囲には古代からの原生林を残す「糺の森(ただすのもり)」が広がり、市民の憩いの場となっている。神さまにお願いごとをした後は、マイナスイオンに満ちたこの森で、リフレッシュするのもオススメだ。