京都の街おこしとして始まった祭礼
時代祭は、葵祭、祇園祭と並ぶ「京都三大祭」のひとつで、幕末の騒乱・東京遷都で活気をなくした京都の街おこし事業のひとつとして、平安遷都1100年を記念し1895年に始まった。794年に平安京に都を移された日を京都の誕生日として毎年10月22日に行われている。京都全市域からなる市民組織が運営し、行列は明治維新、江戸、安土桃山、室町、吉野、鎌倉、藤原、延暦と8つの時代を20の列、牛や馬を含む総勢約2000名で構成され、山国隊の奏する笛、太鼓の音色を先頭に約3時間かけて行われる。また、行列の最後尾には平安神宮のご祭神、桓武天皇と孝明天皇のご神霊が乗っている「鳳輦(ほうれん)」(神輿)があり、ご心霊に京都市街の市民の暮らしぶりをご覧いただき、京都全市民が心を一つにゆくさきの平安を祈ることが祭礼の目的でもある。
京の伝統技術が魅せる行列
行列には、坂本龍馬、織田信長、豊臣秀吉、紫式部、清少納言など歴史上の人物たちが練り歩き、それぞれの時代の衣装をまとった庶民の行列が各時代の暮らしぶりを鮮やかに蘇えさせ、まさに動く時代絵巻のよう。1万2000点にもおよぶ衣装や調度品、そして化粧や髪型はすべて素材、染色、デザインと細やかな時代考証を重ね、京の伝統の技をもって忠実に再現されたもの。行列はお昼12時に京都御苑を出発し、平安神宮に14:30頃に到着する。出発地点の京都御苑内は無料で見物でき、近代建築物が入らずに撮影できるので、平安絵巻の様な写真が撮れるおすすめの鑑賞スポットだ。