明月院ブルーと呼ばれる幻想的なアジサイ
明月院のアジサイはヒメアジサイという日本古来の品種にほぼ限定されており6月初旬、総門から中門にかけて続く参道には品のいい神秘的な雰囲気の青い花を咲かせる。咲き始めは薄水色だったアジサイは花が大きくなるにつれて深い青色へと変わっていく。この美しさは「明月院ブルー」と呼ばれ賞賛されている。アジサイの開花時期に合わせて公開される本堂裏の後庭園に咲く花菖蒲も見逃せない。
庭園、やぐら、井戸の水などアジサイ以外の見どころ満載
本堂は手前に枯山水庭園、奥に後庭園と2つの庭園を持つ。鎌倉では珍しい枯山水庭園は桜やサツキなど季節のいろどりも豊か。後庭園は6月の花菖蒲と紅葉(11月下旬~12月上旬)時期のみ公開される。一室奥にある明月院の代名詞でもある丸い窓は「悟りの窓」と呼ばれ、悟りや真理、大宇宙を円形で象徴的に表したもの。通常非公開の後庭園はここからしか見ることができない。鎌倉最大のやぐら(洞窟のお墓)は明月院にある。間口7m、奥行き6m、高さ3mのやぐらは明月院を建てた上杉憲方の墓とされ、壁面にお釈迦様や十六羅漢(仏教の聖者)の浮き彫りがある。鎌倉十井(かまくらじっせい:鎌倉で特に良質の水が湧いたといわれる10の井戸)の1つ、瓶の井(つるべのい)は内部に水瓶のようなふくらみがあることから名づけられた。今でも使用できる貴重な井戸だ。