禅の世界を感じる
鎌倉駅と北鎌倉駅の間にある、緑の自然に囲まれた静かな場所に建長寺はある。 12世紀から13世紀の鎌倉で武家による政権が栄えた時代、学問、文化、宗教も栄え、この一帯には多くの寺院が建てられた。その中でも建長寺は、日本で初めて建てられた禅寺として有名で、鎌倉5山第1位の鎌倉を代表する禅宗の寺の中で最も高い位をいただく禅寺である。 創建者はその時代の政治における最高権力者、北条時頼である。時頼は熱心に仏教を信仰し、当時まだ新しい学問(宗教) “禅”に熱心であった。その頃、中国から渡ってきた禅宗の僧、蘭溪道隆に出会い、開山を請い、1253年に寺の歴史が始まった。 道隆は修行僧たちに、厳しい規則のもと作法を重んじるよう、戒めた。その規則が書かれた”法語規則“は現在も国宝として大切に保存されている。 その後、1293年に起きた鎌倉大地震による倒壊、更には1315年、1416年の火災により、創建当初の建物のほとんどが失われたが、再建を繰り返しながら寺は存続し、今なお禅宗の中心的存在であり続ける。 見どころは、丘陵の山に切り開かれた広大な境内の建造物の数々だ。再建であれ、日本で初めて開かれた禅寺のおごそかさをたたえ続ける。 建造物の配置は、総門・三門・仏殿・法堂・方丈が一直線に配置された中国の禅宗様式で、創建当時そのままに守られている。また、京都から移築した建物が美しい方丈の庭園も必見だ。この庭園は夢窓礎石による設計という説がある。礎石は京都の世界遺産「西芳寺(苔寺)」や「天龍寺」の庭園他、多くの名庭園をてがけ、禅宗の僧でありながら、庭に禅の世界を表現した天才ガーデンデザイナーでもあった。
英語による外国人向け座禅会
鎌倉で花開いた禅の世界。もし禅に興味があれば、英語による外国人向け座禅会も開かれているので参加してみるのもおすすめだ。約2時間ほどの座禅会で、建長寺の僧から手ほどきを受け本格的な座禅体験ができる。事前申し込みが必要なため、必ず建長寺ホームページで内容を確認してから参加してほしい。