境内全域が国の史跡に指定
鎌倉時代の5代将軍の息子の死を悲しみ、魂を慰めるために建てられたお寺。総門前の太鼓橋には「甘露の井(かんろのい)」と呼ばれる湧き水がある。鎌倉十井(かまくらじっせい)の1つで水が蜜のように甘いことからこの名が付いたが現在は飲むことはできない。総門を入ると見えるのが鐘楼門(しょうろうもん)。中国風で上層に鐘をつるす珍しい門。鐘楼門を過ぎると右手に見えるのが仏殿「曇華殿(どんげでん)」。木像の三世仏坐像は県の重要文化財で、それぞれ過去、現在、未来をあらわしている。裏手には書院がある(内部非公開)。わらぶき屋根の素朴なつくりで季節の花との景観を楽しめる。書院をまわると参拝路が分かれる。「布袋さんがトンネル先の洞窟でお待ちです」と書かれた立札と小さな入り口があり中に入るとやぐらの中に七福神の1人、布袋尊の石像がある。おなかをなでると元気をもらえるのだとか。北鎌倉駅から徒歩5分で「鎌倉・江の島七福神めぐり」のスタート地点でもある。
四季おりおりの花が楽しめる穴場スポット
浄智寺は花のお寺だ。多種多様な花が1年中咲いている。中でも鎌倉を代表するアジサイは近隣のお寺より比較的ゆっくり鑑賞できると人気。樹齢120年のタヒチガンという桜は「かながわの名木100選」に選ばれている。ロウバイは冬でも美しい黄色の花が咲く。花以外にも鎌倉市の天然記念物に指定されているビャクシンや鎌倉一の大きさをほこるコウヤマキなど貴重な植物もみることができる。