日本百名山、世界遺産を歩く
屋久島には九州で1番から8番までの1500m以上の高峰が集中しており、屋久島は洋上のアルプスとも例えられている。宮之浦岳は屋久島のほぼ中央に位置し、高さ1936m、九州最高峰の山で、日本百名山にも選ばれている。険しい岩山が多い屋久島の山の中でも、最高峰宮之浦岳はアップダウンが多い本格的な登山コース。ほぼ全域が遺産地域に含まれ、登山に人気の名山だ。淀川登山口から宮之浦岳山頂を目指すルートは日帰り(往復約16km、所要10~11時間)で上ることができる人気のルート。登山に不慣れな場合は、ガイドを依頼したほうが良い。
次々と変わる美しい景色が山頂へと導く
屋久杉の森を抜け、淀川の清流を通り、日本最南端の高層湿原は、一面に広がる苔と流れ込んだ雨水や雪解け水の水面、白骨樹が織り成す景観が日本庭園の原風景のよう。途中、脳みそ岩や、屋久島モアイなどと名づけられた様々な奇岩・巨岩を見ることができる。野生のヤクシカに遭遇することもある。さらに森林限界をすぎると低いヤクザサ帯の緑に変化し、6月上旬はシャクナゲの花が美しく咲き乱れ、宮之浦岳方面の視界が開けてくる。360度の大パノラマが広がる山頂からは、西に永田岳の険しい山容、北側には宮之浦歩道が続き、 東は石塚山、南には道と翁岳、安房岳が一望でき、屋久島一の絶景を眺めることができる。島とは思えないほど雄大な眺めで、天気が良ければ九州本土の佐多岬や開聞岳、隣の口永良部島、種子島も望むことができる。帰りは同じルートを歩いて戻ることになる。