アイデアや仕掛けを凝らした大名庭園
江戸時代、大名たちは公務で上京するために(参勤交代)江戸(東京)に別邸を持ち、そこに美しい庭園を造り、客をもてなした。そのため大名たちは家のプライドをかけて造園に情熱を注ぎ、アイデアや仕掛けを凝らした。よって、江戸の街には、大名たちによる大規模な庭園ブームが起こったという。浜離宮は、そんな江戸の流行の中で作られた大名庭園である。1654年、浜離宮は4代将軍の弟松平綱重が屋敷として建設したのが始まり。歴代将軍たちにより造園や改修が繰り返し行われ、11代将軍徳川家斉の時代に庭園が完成した。 庭園は、散策しながら景色の変化を楽しむ回遊式庭園。しかしその特徴は、大胆にも東京湾を埋め立て、海水を引いて作った大池がある事だろう。潮の満ち引きで変わる景観を楽しむ工夫を施し目で楽しみ、海から潮に乗って池に入った海水魚を釣って楽しんだという。庭園の見どころは広々とした景観の“汐入の池”、自然を模して作った山や丘のある起伏あるガーデンデザインの美しさだろう。
中島のお茶屋で抹茶のもてなし
美しい庭園を巡り、四季の花々に触れ、すこし歩き疲れたらお茶でもいかがだろうか。汐入の池にせり出した中島の御茶屋では、庭園を眺めながら抹茶と和菓子をいただくことができる。庭の背後にそびえる近代的なビルディング群と古い庭園とのコントラストはいかにも現代の東京の風景らしく興味深い。 浜離宮では一年を通じてさまざまなイベントが催されている。例えば、新年1月2日、3日には、お正月を祝うイベントが催される。江戸時代から伝わる鷹狩りのデモンストレーションや、日本伝統の新年の食べ物、お雑煮の徳川家斉の食事記録のレシピを再現したものが食べられる。また、日本伝統の子供の正月遊び(羽子板、こま)など、楽しい企画が用意されているので、この時期に滞在しているのなら是非出かけてみよう。 「浜離宮庭園で華やかなお正月」(日本語HP)