無名異の土を生かした幅広い作風を持つ玉堂窯元
玉堂窯元では、古くから伝わるきめ細かな赤い土を生かした従来の「無名異焼」から、釉薬を使い色の変化を楽しむ洗練された作品まで、様々な作風の「無名異焼」を制作している。佐渡独特の焼き物「無名異焼」は、佐渡の金銀山から産出される酸化鉄を含む無名異と呼ばれる赤い土からできており、土の粒子が非常に細かいことで知られている。そのため、焼いた時の縮みが大きく、非常に硬く締まった仕上がりになる。使い込むほど器の表面に艶が出て、手の馴染みもよくなっていく事も楽しみのひとつである。
陶芸体験を通じて無名異焼の魅力を伝える
玉堂窯元では、無名異の土を使い陶芸体験ができる。コースは二種類あり、ロクロコースと手彫りコースを選ぶことができる。ロクロコースでは、電動ロクロを使い粘土状の無名異から形を作っていく。湯呑、フリーカップ、ごはん茶碗から、好みのものを選ぶことができる。手彫りコースではすでに成形されたものに、彫刻刀で絵や文字、言葉などを彫る。いずれのコースも窯元のスタッフが指導に当たるので初心者でも心配はいらない。各コース所要時間は15分から30分程度。その後、焼きあがりまでの1ヵ月を経て完成品は自宅へ郵送される。事前予約が安心だ。特に、連休やハイシーズンは混みあうため、早めの予約が望ましい。
普段使いから芸術品まで展示販売される店内
店内はギャラリー兼ショップになっており、日常使いによいシンプルなものから、自然の岩石や木灰を調合した釉薬を使い美しい色合いに仕上げたもの、炎が映し出されたように焼きあがる野性味のあるものなど、バリエーションに富んだ「無名異焼」を目で楽しみ、購入することができる。