神橋の由来
日光が開かれたのは8世紀の奈良時代。初めて日光山を開こうとしたときは断崖絶壁と荒々しい大谷川にはばまれていた。僧侶の勝道上人はそこで神に祈りをささげると深沙王があらわれ、2匹の蛇を橋へと変えて渡れることができたという伝説を持つ橋だ。行事や将軍の通行など特別なときのみ使用され、一般人は下流の日光橋を通行することになっていた。現在は通行料を払って入ることはできるが行き止まりになっているため渡りきることはできない。有名な行事にすす払いがある。毎年12月、狩衣と呼ばれる平安時代の服に烏帽子姿の神職や白衣に赤い袴の巫女が長さ4mほどの竹笹を使って1年分の埃を落とし、新年に備える恒例行事。長さ28mの橋に約3mの竹笹で傷をつけないよう埃をはらう。昼頃までには朱色も一段と鮮やかさを増し、優雅な姿を取り戻す。
紅葉とライトアップ
10月下旬~11月上旬の紅葉時期は神橋に最もふさわしい時期だ。川の青色、橋の朱色、黄金の木々に彩られ、絵画のような風景となる。特に光のやわらかい朝の時間は神の山、日光にふさわしい景色。夜はライトアップもされる。ライトアップは、10月下旬~11月上旬にかけて3日間限定で開催。2社1寺とよばれる東照宮、輪王寺、二荒山神社とともに神橋もライトアップされる。世界遺産と紅葉のコラボレーションがライトアップでさらに幻想的な世界に。貴重な鑑賞イベントだ。