各国大使館の別荘地・中禅寺湖
明治時代、涼しい気候の中禅寺湖に魅せられた外国人の人気を呼び、欧米諸国の大使館別荘が次々と建てられた。避暑地として西洋の歴史が垣間見える。中禅寺湖やその周辺にはその名残のたてものがある。イタリア大使館別荘記念公園は、1928年に建てられ1997年まで歴代の大使とその家族が使用していた。その後栃木県が譲り受けて改築し、2000年から公園として無料開放。アメリカの著名な建築家、アントニン・レーモンドがこの地方の特産である杉に注目。外壁から内部まで建物全体に杉の皮を使用する珍しいつくりで、豊かな自然と見事に調和している。別荘は2階建てでどの部屋からも湖が見えるよう細かく設計されている。暖炉や西洋家具に囲まれ、優雅なひとときだ。湖へ下ると桟橋があり、ここから眺める男体山は絶景 イタリア大使館副邸を改装し歴史館にしたのが、。国際避暑地歴史館。本邸とは対照的に森の中の景観を生かした建物で窓から見える風景は抜群にいい。国際的な社交場となった中禅寺湖を写真パネルと映像で紹介している。 日光真光教会は、栃木県の指定有形文化財。多くの外国人が避暑地として過ごすようになった日光で教会の設立が求められ、建てられた。ゴシック風の重厚な石造りで建築家J.M.ガーデナー夫妻もここに眠っている。材料は近くの大谷川にある安山岩と地元の鹿沼石が使われ、独特な雰囲気。ステンドグラスがひときわ目立つ。礼拝など特別な行事以外は無料で見学できる。明治の館は、国の有形文化財。もとはアメリカの貿易商が建てた別荘だったが現在は本格的洋食レストランとなっている。建物は18世紀にイギリスで流行したジョージアン様式。オムライスとチーズケーキが有名。つねに混んでいるので待っている間に同じ敷地内の庭園を散策するのもいい。