昔ながらの建物が軒を連ねる、
伊勢神宮・内宮前で賑わう「おはらい町」。宇治橋のたもとから五十鈴川に沿って続く約800mの美しい石畳の通りには、古い民家がずらり。昔懐かしい雰囲気を醸し出している。通りで見られる建物の多くは、屋根の棟に対して垂直な壁面(妻)に入り口が設けられた妻入りと呼ばれる建築様式。これは、平入り様式である伊勢神宮の社殿と同じでは恐れ多いと住民らが遠慮しため、妻入り様式の建物が多く残ると言われている。
おはらい町の醍醐味といえば、伊勢の名物グルメの食べ歩き
美しい石畳み沿いに、様々なご当地グルメがいっぱい! 新鮮な魚介類を使った練り物や豆腐を使ったソフトクリームなど気軽に食べ歩きが楽しめるものから、松坂牛のステーキまで多彩な味が揃う。ランチにおすすめといえばやはり、伊勢うどんと手こね寿司だ。伊勢うどんは、黒く濃厚なつゆ(タレ)を、太い緬に絡めて食べるものが主流。麺はコシがなくふんわりとした食感で、見た目ほど味は濃くなく優しい味わいが特徴だ。手こね寿司は、志摩地方発祥の郷土食。鰹や鮪などの赤身の魚を醤油ベースのタレに漬け込み、酢飯と合わせた寿司だ。三重県では今も、宴会の席で食べられるという。
毎月1日は、朔日詣で早朝から賑やかに
伊勢神宮には毎月1日の早朝に参り、神様に感謝し、清らかな気持ちでその月をはじめる「朔日詣」という風習がある。明治時代以降に定着したものだが、現在もその風習は今もなお健在。特に8月1日は「八朔参宮の日」と言われ、この日に神宮にお参りして、五穀豊穣や無病息災をお祈りするという。おはらい町のいくつかの店舗は早朝から開店し、朔日朝粥などの限定メニューを用意。朝食にぴったりだ。また、おはらい町の中ほどにあるおかげ横丁は早朝から大賑わい。午前4時から午前8時まで、朝市も開催される。