お伊勢参りは、まずは外宮からが正しい参拝方法
あらゆる神社の中で、別格中の別格とされる伊勢神宮。皇室の祖先で、日本人の総氏神とされている天照大御神をまつる内宮(皇大神宮)と、衣食住の守り神である豊受大御神(とようけのおおみかみ)をまつる外宮(豊受大神宮)の二つの正宮がある。2013年10月には20年に一度の式年遷宮を終え、すべての社殿や鳥居などが新しく造り替えられた。伊勢神宮のお参りは、まずは外宮から参拝し、その後で内宮を参拝するのが古来の慣わしとされている。二つのお宮は少し離れた場所にあるが、バスでの移動が可能だ。
衣食住を司る神様をまつる、伊勢神宮外宮
外宮にまつられている豊受大御神は、衣食住の恵みを与えてくれる産業の守護神。約1500年前に天照大御神の食事を司る御饌都神(みけつかみ)として、内宮にほど近い山田の原にお迎えしたのが起源とされている。手水で身を清めたら、まずは豊受大御神をまつる御正宮を参拝しよう。御正宮の奥にある御饌殿では毎日朝と昼の2回、天照大御神を奉る祭事が行われている。これは豊受大御神の鎮座以来、千年以上にわたり一日も絶えることなく続いているという。
自然に宿る神々を巡り、パワーをいただこう。
御正宮を参拝したら、4つある外宮の別宮も参拝したい。御正宮前の御池に架かる亀石を渡ると、右手に土地の守り神をまつる「土宮」、左手に風の神をまつる「風宮」が見えてくる。その正面にあるのが「多賀宮(たがのみや)」だ。98段の石階の上に鎮座し、豊受大御神の荒御魂(あらみたま)をまつる多賀宮は、御正宮について格式が高いとされている。もし時間に余裕があれば、外宮から北に徒歩で10分のところにあるもう一つの別宮「月夜見宮(つきよみのみや)」も訪れたい。この別宮では天照大御神の弟神で、夜を司る月の神をまつっている。