全国有数の日の出の名所であり、縁結びスポット
古来より、日の出を拝む聖地として知られてきた夫婦岩。沖合約700m先には猿田彦大神ゆかりの興玉神石(霊石)が鎮座するとされ、常世の国から神が寄りつく処と言われてきた。高さ9mの男岩と4mの女岩を結ぶ大注連縄は、年に3回新調。毎年、5月5日、9月5日、12月中旬頃に大注連縄張神事が行われる。夫婦岩といえば日の出の名所だが、5月から7月は夫婦岩の間から朝日を見ることができる。夏至(6月21日頃)前後の天気がいい日には、遠く富士山の背から差し昇る日の出を見ることができ、参拝者で賑わう。また冬至の前後(秋~冬頃)には、岩の間から昇る満月を見ることができる。
縁結びで評判が高い、海沿いの神社
夫婦岩のすぐそばにあるのが二見輿玉神社だ。御祭神に猿田彦大神を祀り、縁結び・夫婦円満・交通安全などにご利益があると言われている。「道開きの神」としても知られる猿田彦大神の神使はカエル。境内では、無数のカエルの石像を目にすることだろう。これらは参拝後に「無事かえる」、「若がえる」などの御利益を受けた人々が、神に感謝して献納したもの。この神社の授与品もカエルをモチーフにしたものが多い。
お伊勢参りの前には、二見興玉神社で身を清めよう
昔、伊勢神宮に参拝する前や祭典に奉仕する前には、清き渚とも称される二見浦で禊(沐浴)を行うのが慣わしであった。今では「浜参宮」と呼ばれ、二見興玉神社でお祓いを受けるのが一般的。興玉神石付近で採れる海草(あまも)を天日干した霊草「無垢塩草(むくしおくさ)」で、祓い清めを受ける。現在も、20年に一度行われる伊勢神宮の式年遷宮での特別行事への参加者は、この浜参宮を行う。古来のしきたりにのっとって、伊勢神宮参拝前には二見興玉神社を訪れてみてはいかがだろう。