日本絵画のような美しさ
1339年に足利尊氏によって創建され、かつては嵐山や渡月橋、亀山公園なども境内であった。8度の火災にあい、建物のほとんどが1900年頃に再建されている。しかし、「曹源池庭園(そうげんちていえん)」は700年前の当時の原型をとどめており、日本で初めて史跡・特別名勝に指定され、1994年には古都京都文化財として世界文化遺産に登録された。中央の曹源池を中心にした池泉回遊式庭園で、嵐山や亀山の自然景観を取り込んだ借景式。登龍門の故事になぞらえ、池の奥の山ぎわの巨岩を池におちる龍門の滝に見立て、その横に鯉魚石が置かれ、龍と化す途中の姿を現している。春は桜、秋は紅葉が見事で、日本絵画のような美しさでいつまで見ても飽きない美しさ。もう一つの見どころである「法堂(はっとう)」には元々、雲に上る龍が描かれていたが損傷が激しかったため、天龍寺開山650年を記念して1997年に「雲龍図」が描かれた。檜板の天井に墨で描かれた直径9メートルの雲龍図はどこから見ても龍に睨まれているようで大迫力。春秋の特別参拝以外は土日祝日のみの公開となる。また、「友雲庵(ゆううんあん)」にて毎月第二日曜の9:00から無料で座禅(足を組み精神統一を行う修業)に誰でも参加することができる。境内には庭園を眺めながら精進料理が楽しめる「篩月(しげつ)」がある。仏教では食べることも修業のうちで、精進料理は美食でありながら粗食を実践したもの。仏教の教えに基づき、動物性の素材を一切使用せず、野菜や海草を中心とした料理。