南禅寺の文化財を楽しむ
南禅寺は国の史跡に指定され、その境内には多くの文化財がある。まず、国の重要文化財である三門は、日本三大門のひとつ(仏教修行のなかで通らなければならない場所のひとつ。寺院の正門である)。高さ22メートルで、五鳳楼といわれる楼上に上ることが出来、そこからは京都の北西部が見渡せることで人気がある。部屋を意味する方丈は国宝で、大方丈と小方丈にわかれた内部には狩野派の襖絵が130面広がる。(現在はそのうち80面は保管されているが、デジタルで観覧可能)大方丈の東にある小方丈はふすまが全て虎が描かれているいわゆる虎の間。その中でも、「水呑み虎」の絵は有名である。また、大方丈の前に広がる方丈庭園もおすすめ。ここは通称、「虎の子渡しの庭」と呼ばれている。枯山水とは、水を使わずに石や砂などで水の風景を表現した庭のこと。石で表された虎の親子が川を渡る様子が描かれた庭である。
さらに、もともとは南禅寺を建てた亀山法皇の離宮であった南禅院とその庭は、紅葉のシーズンには大変美しく色づく。大きな池を中心にした池泉回遊式庭園で、南禅寺が建てられた鎌倉時代を代表する庭園である。
また、明治時代につくられた水路閣は赤レンガ造りの美しいアーチ橋。これは京都市内に、隣接する滋賀県の琵琶湖からの水源をひくためのもの。ドラマ撮影に使用されることも多く、こちらも観光客の絶えない人気スポットだ。
春には桜、秋には紅葉がおすすめ
約200本の桜の木がある南禅寺。また南禅寺周辺には桜の名所として知られる哲学の道や平安神宮などがあり、桜を楽しみたい観光客にとっては絶好の場所。また、秋には清水寺をはじめ、ここ南禅寺でも美しい紅葉が楽しめる。