庶民や女性の信仰を集めた、天台宗の寺院
真如堂の起源は、今から一世紀以上前のこと。984年、戒算上人が、延暦寺に安置されていた阿弥陀如来像を京都の神楽岡に移し開創。不断念仏の道場として、念仏行者や庶民、特に女性の信仰を得てきた。しかし応仁の乱をはじめ度重なる火災により、堂塔は焼失。その後場所を転々とし、1693年に現在地に落ち着いたという。本堂の内陣や書院、庭園は有料。30~40分で回ることができる。
年に一度だけ開帳されるご本尊阿弥陀如来
本堂内の宮殿には、ご本尊である阿弥陀如来を安置。阿弥陀如来像の立像としては、現存する最古の像と言われている。この阿弥陀如来には、「うなづきの弥陀」という別名が。「修行者を守護して下され」と祈ると阿弥陀如来は首を横に振り、「衆生、特に女性をお救い下され」と祈るとうなずいたという逸話が残されている。普段は宮殿の扉は閉ざされているが、11月5日から15日に行われる法要「お十夜」に開帳。15日のみ、阿弥陀如来をすぐ間近で参拝できる。また、15日午後2時からは「お十夜」を締めくくる法要を開催。僧衆や稚児などが境内を練り歩く。
赤や黄、鮮やかな色彩に包まれる紅葉の名所
真如堂は、紅葉の名所としても名高い。本堂の前から西に降りる石畳は紅葉のトンネルになり、まるで絵画のような光景が楽しめる。年によって様々だが、境内の紅葉のピークは11月下旬から12月上旬頃。紅葉のピーク時もさる事ながら、落葉後もまた絶景。本堂裏「灯ろう台石」の周りには、散った紅葉による真っ赤なじゅうたんが広がる。ほとんどの紅葉は無料で楽しめるが、有料ゾーン涅槃の庭もおすすめ。枯山水と色づいた東山連峰のコラージュは、味わいのある美しさだ。