八坂神社の東側に広がる、雄大な公園
1886年開設の京都市で最古の公園。1912年に小川治兵衛が、自然の丘陵を利用し池泉回遊式の日本庭園を作庭。現在の形となった。西は八坂神社、南に高台寺、北は知恩院などに隣接。東山の緑を背景に木々の間から寺々の屋根も見えがくれして、京都ならではの公園美が楽しめる。約9万㎡の広さを誇る園内には、祇園祭の山鉾の倉庫や坂本龍馬・中岡慎太郎像のほか、西行庵や芭蕉庵などの旧跡が点在。料亭やお茶屋もあり、お抹茶や京料理が楽しめる。
「祇園の夜桜」で知られる、京都随一の桜の名園
3月下旬から4月上旬にかけて約680本の桜が咲き、昼夜問わず多くの花見客で賑わいを見せる円山公園。園の中央の池付近にあるしだれ桜は、「祇園の夜桜」としても有名だ。花見の時期にはかがり火が焚かれ、幻想的な風景が広がる。また屋台も立ち並ぶので、B級グルメをハシゴするのもおもしろい。しだれ桜の見頃は例年4月上旬までだが、八重桜は4月中旬過ぎまで楽しめる。
散策のあとは、300年続く京名物に舌鼓
園内には茶屋が軒を連ねているが、少し離れた場所に京名物が楽しめる店がある。「いもぼう」で有名な平野家本家だ。「いもぼう」とは、海老芋と呼ばれるエビの形をした芋と真鱈を素干しした棒鱈を炊き合わせた、京都の名物料理。厚く面取りした海老芋と一週間余りかけて柔らかく戻した棒鱈を、丸一昼夜かけて炊きあげられる。この独特な炊き方は「夫婦炊き」と呼ばれ、約300年にわたり一子相伝で継承。特徴的な旨みと甘味、素材の味をしっかりと感じられる。円山公園の散策ついでに、立ち寄ってみてはいかがだろう。
