1100年の伝統を守る祇園祭
日本三大祭のひとつ祇園祭は、1100年間受け継がれる八坂神社の祭礼で、毎年7月1日から31日までの1カ月間、京都市内の中心部や八坂神社で行われる。山鉾(やまぼこ)巡行や神幸祭をはじめ、多彩な祭事が繰り広げられる。平安京の広大な庭園であった神泉苑に、当時の国の数66ヶ国にちなんで66本の鉾を立て祇園の神を祀り、災厄の除去を祈ったことが始まり。山鉾は古今東西の装飾品で飾られ「動く美術館」とも称され、巡業で町の邪気を集め清める役割を担っているため、巡業を終えた山鉾はすぐに解体される。
最大の見どころ 山鉾巡業
前祭(さきまつり)、後祭(あとまつり)に分かれ、それぞれの巡業日の前3日間が宵山(よいやま)と呼ばれる。前祭・宵山行事は7月14日〜16日に行われ、山鉾に吊られた提灯に火が灯り、お守りや扇子などグッズが販売される。また、山鉾の中には搭乗券を購入して上にのぼれるものもあり、山鉾からの眺めは宵山限りの体験だ。15日・16日は歩行者天国で露店の出店が並び多くの人で賑わう。17日の先祭巡行では、23基の山鉾が朝9時に四条河原町から出発し、四条麩屋町(しじょうふやちょう)での「注連縄(しめなわ)切り」や、鉾が各交差点を曲がる際の「辻(つじ)回し」が一番の見どころとなる。同日の16時頃より神幸祭(しんこうさい)が行われ、八坂神社3基の神輿が20時頃まで京都市内を巡業する。後祭・宵山行事は7月21日〜23日に行われるが露店の出店はなく、24日の後祭巡業で10基の山鉾が烏丸御池から前祭と逆コースで行われる。最大12トンにも達する巨大な山鉾が京都市街を巡業する光景は圧巻。最も賑わう前祭は見逃せない最大のイベントだ。