心も体も温まる湯を楽しむ
和歌山県にある熊野古道は、「紀伊山地の霊場と参詣道」の一部として世界遺産に登録されている。熊野へのお参りの際に多くの人々が進んだ熊野古道では、新緑に包まれた神聖な雰囲気を感じることが出来る。そんな熊野詣の途中で、湯垢離場として愛されてきたのが簡単な板で囲われただけの小さな岩風呂。湯の谷川のほとりにぽつんとたたずんでいるのが印象的だ。この場所から程近くにある熊野本宮に参る人々が、参拝の前にここで体を清めたといわれている。つぼ湯といって、その名の通り2,3人ほどしか入れないこじんまりとした混浴の湯だ。光の加減とその日のお湯の質でお湯の色が7色に変化することでも有名。自然に出来たという岩の穴に、自然に湧き出ているという温泉。熊野本宮への参拝で訪れた多くの人々の疲れを癒してきた神秘的なお湯は是非試したい 。つぼ湯は30分の交代制。受付で順番の札をもらってからの入浴となる。込み合っていても大丈夫。周囲は歴史感じる温泉街、そして歩いてすぐには熊野本宮もあるので散策しながらゆったり順番待ちもできる。
周囲の観光スポットも要チェック
つぼ湯そばは、一般湯のほかにくすり湯等が楽しめる「湯の峰公衆浴場」をはじめ、温泉でゆで卵を作っている湯筒、軽食の取れるお店などが並ぶ温泉街だ。石畳の散歩道が風情に溢れ、近くを流れる川も少し暖かく足湯にもぴったり。のんびりとした時間をすごしながら、世界遺産に登録された美しく歴史ある熊野を楽しむのも楽しい。