山間の温泉宿をそぞろ歩き
熊本からも大分の別府からも離れた小さな山村にあり、標高700mの田の原川渓谷の両側にこぢんまりとした20数軒の和風旅館が立ち並ぶ。旅館やお店の屋根は黒、壁は土壁で統一され、川沿いの自然と見事に調和し、美しい街並みが広がる。かつては切り傷に良く効く温泉として知られ、現在は全国屈指の人気温泉地と知られ、2009年にはミシュラングリーンガイドで温泉地としては異例の2つ星を獲得し、人気の宿は予約が取れにくいことでも知られている。それぞれの旅館が独自に源泉を持っており、泉質も7種類あり宿によって多様な湯が楽しめる。
入湯手形で露天風呂めぐり
川に面した風情ある露天風呂が多いことと並んで、黒川温泉が人気があるのは「入湯手形」が手に入ること。各旅館で購入できる入湯手形を利用すれば、好きな旅館の温泉に3ヶ所入浴することができる。手形を見せれば街のお店でも特典が受けられることも。黒川温泉の元湯として知られる共同浴場「黒川地蔵湯」がいご坂にあり、すぐそばにある「地蔵堂」には孝行息子の身代わりになった地蔵様の逸話があり、首なし地蔵が祀られている。その地蔵堂に使用済みの入湯手形を奉納すると、恋愛成就、学業成就にご利益があるといわれている。
飲み歩きやサイクリングも楽しもう
地元のお酒や焼酎が楽しめる「かっぽ手形」もあり、各旅館やお店のお酒を3杯まで飲み歩きできる。音声案内システムのレンタルもあり、日本語・英語対応で黒川温泉の見どころを紹介してくれる。浴衣での街歩きのほかに、電動自転車のレンタルもあり、少し足を延ばして自然を楽しむのもおすすめ。4km離れた平野台展望台からは阿蘇山を一望できる。