三味線や太鼓の音が聞こえてきて雅な雰囲気
城下町金沢の茶屋街の歴史は古く、1820年頃に茶屋街がつくられた。茶屋では芸を磨きあげた芸妓が三味線や太鼓や踊りでお客をもてなしていた。今もなお昔の面影を残した3つの茶屋街「ひがし茶屋街」「にし茶屋街」「主計町茶屋街」が残っている。茶屋のお座敷は一見さんお断りが多く敷居が高いが、バーを併設する茶屋もあり、気軽に入ることができるところもある。現在では茶屋だけでなく、伝統建築を生かした食事処やカフェ、お土産屋も多くあり、美しい街並みを散策するだけでも十分楽しめるスポット。夕暮れ時になると三味線や太鼓の音が聞こえてきて雅な雰囲気を味わえる。
京都の祇園と並ぶ国の伝統的建造物群保存地区
なかでも一番の人気は「ひがし茶屋街」。約50の寺院が並ぶ卯辰山寺院群と浅野川の間に位置し、最も大きな茶屋街。京都の祇園と並んで国の伝統的建造物群保存地区に指定されている。黒瓦の屋根に格子の扉の木造建築が並び、江戸時代にタイムスリップしたかのような雰囲気。ひがし茶屋には、昭和天皇に献上されたお茶で知られる加賀の特産、献上加賀棒茶を味わえるカフェ、「茶房一笑」がある。趣のある空間で、格子戸から見える茶屋街の風景を楽しむことができる。生菓子やぜんざいなどの和菓子も美味。また、1820年に建てられた重要文化財の「志摩」はお茶屋の内部を見学することができ、志摩の中にある茶房「寒村庵」では抹茶と和菓子を頂くことができる。