美しい竹林の庭を持つ竹寺
12世紀の終わり、鎌倉で武家による政権が誕生し1333年まで続いた。関東では東京より古くに栄えた都、鎌倉には、今なお多くの歴史的建造物が残り、古都の空気が漂う。そのような時代を背景に、報国寺は鎌倉幕府終焉後の1334年に開かれた臨済宗建長寺派の禅寺である。美しい竹林の庭を持つ竹寺(bamboo temple)、として有名で週末には観光客が多く訪れる。
山門をくぐり、苔の美しい庭をながめながら本堂へと向かう。その奥に、報国寺の名所竹の庭が広がる。2000本の竹が見事に手入れされ、美しく空高く伸び、広がる庭は圧巻。細い小路を通りながら竹林を歩けば、小鳥のさえずりや竹林の香りが町の喧騒を忘れさせ、心に静寂を与えてくれるだろう。竹林には茶席があり、ゆっくりと庭をながめながら抹茶をいただくことができる。鎌倉の伝統的なハンドクラフト、鎌倉彫の盆でサーブされるお茶を、目でも楽しみながら、ゆっくりと味わっていただきたい。
歴史的な背景では、臨済宗の僧、天岸慧広(Tengan Eko)がこの地に休耕庵を建て修行をしたのが始まり。詩をたしなみつつ、静かな生涯を過ごしたという。また、武将足利家の菩提寺でもある。足利家は鎌倉の地に90年間栄えた名門だったが、戦乱の世において敗北し、足利義久がこの寺で割腹自害をし、その家の歴史を終えた関東足利家終焉の地である。 禅の世界と乱世の悲話を持つ寺院。時は流れても寺は変わらず美しくあり続ける。
日曜朝の座禅会
もし禅に興味があるのなら、日曜朝の座禅会に参加してみてはいかが。毎週日曜午前7:30より迦葉堂(かしょうどう)にて一般も参加できる「日曜座禅会」が行われている。 参加する場合は、動きやすい楽な服装で参加するように。ある程度、厳しい座禅会なので覚悟をして参加するように、とのこと。時間厳守、途中入退場は不可なので、参加する場合は早起きも必要である。