日蓮が「立正安国論」を書いたお寺
日蓮が道場とした岩窟のそばに弟子が「安国論窟寺」を建てたのが始まり。その後お寺にて有名な「立正安国論」が書かれたことにより安国論寺となった。日蓮は38歳のとき、日本の最高権力者である北条時頼に対し「法華経をよりどころとせず他宗を信じれば国が滅ぶ」と説いた。それが有名な「立正安国論」である。ろうそくの灯りだけで、物音ひとつせずひんやりとした御法窟といわれる洞窟で日蓮は書いたといわれている。
美しいアジサイの人気の高いお寺
安国論寺は鎌倉でも四季の花が美しいと人気の高いお寺。早春の桃やしだれ桜、アジサイ、紅葉など多くの人が訪れる。6月上旬からが見ごろのアジサイは境内全域に植えられており、山門前を始め参道、本堂前さらに奥の南面窟手前まで色とりどりのアジサイに囲まれる。鎌倉市の天然記念物に指定されている「妙法桜」は樹齢760年の珍しい種類の山桜。シーズンでも比較的参拝者が少ないため穴場スポットとして人気だ。4月上旬~中旬に見ごろを迎える。御法窟わきの石段をのぼると鎌倉の街並みや海岸、富士山まで見渡せる絶景ポイント「富士見台」がある。日蓮はここから富士山に向かってお経を読んだとされている。富士見台の先は木の茂る山道。草庵がおそわれたとき、この山道を通って裏山づたいに逃れたと言われている。