自然とアートが融合した美術館
瀬戸内海を望む豊島唐櫃の小高い丘に建つ、建築家・西沢立衛と、アーティスト内藤礼のコラボレーション作品が楽しめる美術館。周囲には地元住民とともに再生された美しい棚田が広がり、その広大な敷地の一角に建つ。美しい棚田の風景を眺めながら、長い遊歩道を抜けると、水滴をモチーフにした真っ白な巨大な建物が表れ、自然と建築、アートが融和した美しい環境をつくりだしている。
ここでしか体感できない不思議なアート空間
建物上部には2つの大きな穴が開いており、外気や太陽光が建物内部にまで入ってくる構造になっている。広さ40×60m、最高高さ4.5mの空間に柱が1本もないコンクリート・シェル構造で、建物内部は、内藤礼による「母型」という作品になっている。「母型」は、一日を通して、いたるところから水が湧き出す「泉」で、床のいたるところから水が湧きだし、水滴が小刻みに形を変え、いくつもの水滴が集まって水たまり「泉」を創り出していく。季節の移り変わりや時間の流れとともに、無限の表情を鑑賞者に伝える。静かに空間に身を置き、ふたつの開口部からの光や風、鳥の声、時には雨や雪や虫の声を聞きながら、自然との融和を感じることができる不思議な空間。
自然光が降りそそぐカフェスペース
カフェ&ショップスペースも隣接しており、豊島のいちご農家から仕入れたピューレを使ったいちごソーダや、豊島の棚田でとれたお米とオリーブのもろみを混ぜたオリーブライスが楽しめる。内藤礼氏や西沢立衛氏に関する書籍や、地元豊島や瀬戸内で採れたものを使った食品などの土産物も手に入る。