島独特の町並みが広がる本村地区
昔ながらの町並みが残る直島の本村地区で、点在していた空き家を改修し、アーティストが家そのものを作品化したもの。プロジェクトは1998年から開始され、現在では「角屋」「南寺」「きんざ」「護王神社」「石橋」「碁会所」「はいしゃ」の7軒が公開されている。「自然とアート」から「人」に焦点を当て、地元の人々の生活圏で展開していくこのプロジェクトは新たなアートの試みとして注目されている。
個性豊かな作品として蘇った空き家
「角屋」は家プロジェクトの第一弾として完成されたもの。築200年の民家を修復した空間に宮島達男のアート作品が展示されている。「南寺(みなみでら)」はジェームズ・タレルの作品サイズにあわせて安藤忠雄が建物を設計したもの。入場制限がかかるため整理券を入手しよう。光をテーマに暗闇の中で非日常を体感できる。「きんざ」は築百数十年の小さな家屋で、伝統技術を使いつつ家屋そのものが作品化されている。完全予約制で、1名15分ずつの鑑賞体験と決められている。「護王神社(ごおうじんじゃ)」は江戸時代から祀られている護王神社の改築に合わせて設計した建物。石室と本殿とはガラスの階段で結ばれているアーティスティックな神社。「石橋」は明治時代に栄えた製塩業の民家が修復されたもの。「碁会所(ごかいしょ)」は碁を打つ場所として島の人々が集まっていた場所。内部には椿の花が展示されている。「はいしゃ」はかつて歯科医院兼住居であった建物を大竹伸朗(おおたけしんろう)」がまるごとアート作品に作り変えたもの。絵画的、彫刻的で異彩を放つ建物。