木造とコンクリートの融合建築
アートイベントが開催された「瀬戸内国際芸術祭2013」に合わせて開館した世界的建築家、安藤忠雄氏のミュージアム。古い街並みが残る本村地区にある安藤氏が手がけた家プロジェクト「南寺」のすぐ近くに位置する築約100年の民家を改修し安藤忠雄が設計した。民家の外観を残しながらも、中は打ちっ放しコンクリートという二重構造の建物で、直島の街並みに配慮しながらも、傾斜した壁や円形の部屋、採光の取り入れ方など細部まで安藤らしさを取り入れた建築そのものも作品となっている。造形美だけでなく、光を効果的に部屋全体に行き渡らせ、空調管理も同時に行えるよう機能的に設計されており、自然の力で環境管理が行えるようになっている。
安藤忠雄の活動や直島の歴史を知る
直島で安藤が取り組んできたプロジェクト「ベネッセハウス」、「地中美術館」、「李禹煥美術館」などの模型や写真、スケッチで紹介し、さらには安藤自身の活動経歴に関する資料や、代表作「光の教会」の模型と写真なども展示されている。また、直島の近現代史といえる変化・変貌についても紹介されている。館内のショップでは安藤忠雄に関する書籍や、ポストカードなども販売されており、直筆サインやドローイングの入った商品も手に入る。直島にあるそれぞれの安藤建築を見学したあとでこちらを訪れると、より一層理解を深められる。とても小さな美術館だが、安藤氏の設計の工夫が凝縮されており、ファンなら必ず訪れたいミュージアムだ。