こんぴらさんの名で親しまれる神社
金刀比羅宮(ことひらぐう)は地元の人々から「こんぴらさん」の愛称で親しまれている海の神様を祀る神社。長い参道の石段で知られ、本宮まで785段、奥社までの合計は1368段にも及ぶ。途中様々な重要文化財などの見所があり片道30分ほどで到着する。100段目に「一之坂鳥居」と両脇には「備前焼狛犬」が。168段目には「灯明堂」があり多数の釣燈籠が夜の参道を照らす。351段には「金刀比羅本教総本部」や豪華な装飾の「青銅大燈籠」、朝夕時刻を知らせる「鼓楼」。365段には神域の総門「大門」。365段から431段目の「桜馬場(さくらのばんば)」は春に美しい桜並木が見頃を迎える。
江戸時代の人々が憧れた場所
江戸時代に庶民は旅行を禁止されていたが、神仏への参拝だけは許されており、三重県の伊勢神宮への参拝とともに、金刀比羅宮への参拝も人生の一大イベントであったと言われる。代理として飼犬が代参をすることもあり、旅人から旅人へ連れられてこんぴら参りを果たした犬は「こんぴら狗(いぬ)」と呼ばれた。431段目にはこんぴら狗の銅像がある。477段「書院」では内部の襖絵が公開されている。595段「祓戸社(はらえどしゃ)」には罪や穢れなどを祓(はら)い清める神様が祀られている。628段「旭社」は屋根内側の見事な装飾が見所。642段「賢木門(さかきもん)」は一本の柱を逆さまにつけてしまったことに由来する。785段上がった御本宮神札授与所でのみ、「幸福の黄色いお守り」と「ミニこんぴら狗」が手に入る。お守りは鬱金(うこん)で染めた絹糸で織られており、病気や災いから身を守り健康と幸せのご利益があると人気。展望台からは讃岐平野や瀬戸大橋が一望できる。