一羽のシラサギ伝説で始まった「癒し」の湯
およそ1200年の長い歴史を持つ和倉温泉は、七尾湾が一望できる風光明媚な温泉街として知られている。湾で獲れる極上の魚介や、ミネラル豊かな土壌で育つ地元野菜が味わえる「食」の楽しみ、長い歴史に培われ洗練された“おもてなし”が自慢の宿など、多くの魅力に溢れている。和倉温泉の始まりは、一羽のシラサギが傷ついた足を海につけ癒している姿を見た夫婦が、そこに温泉が湧いていると知った事からと伝えられる。その後、この地を治めていた加賀藩の藩主が、和倉の湯を取り寄せ腫物の治療をした事などが評判となり発展した“癒しの湯”である。
海の恵み溢れる湯の様々な効能
”海の温泉“と謳われる和倉温泉の湯は、豊富な塩分を含み優れた効能があることで有名だ。”傷や皮膚病に作用する殺菌効果“、”湯冷めを防ぐ保温効果”、“肌をなめらかにする美肌効果“ほか、リウマチや痛風、神経痛にも効果があるとされており、1880年にドイツで開催された万国鉱泉博覧会では「世界三等鉱泉」を受賞し、良質な湯が国際的な場で高く評価された。
町散策で楽しむ“湯めぐり”体験
和倉温泉では、町を散策しながら温泉を気軽に楽しむことができる。温泉街にある「和倉温泉－総湯（そうゆ）－」では、気軽な料金で日帰り温泉が楽しめる。2011年にリニューアルされた館内は快適で、畳の敷かれた広い休憩所も完備されている。また、湾岸沿いにある「ゆっ足りパーク（ゆったりパーク）」は無料で入れる足湯施設で、ゆっくりと足を温泉で温めながら美しい湾の風景を堪能できる。近隣の青林寺や信行寺など、静寂の漂う寺巡りも併せて散策を楽しみたい。
