至近距離で被爆した原爆ドーム
1915年にチェコの建築家ヤン・レツルによって設計され、「広島県物産陳列館」として開館。煉瓦造りのヨーロッパ調建築で楕円形のドームが特徴的な3階建てのモダン建築で、川面にうつる美しさから広島の名所の一つであった。しかし1945年8月6日、原子爆弾により、広島市内の建物は90%以上が破壊・焼失された。同館は爆心地から至近距離で被爆、全焼したものの、奇跡的に倒壊を免れた。しかし、原爆ドームは年々亀裂などの痛みが進行したものの、1967年には世界中から6,619万7,816円の寄附金が集まり、保存工事が行われた。その後も2度にわたり寄付金で保存工事および保存調査が行われている。
平和記念シンボルとして世界遺産に登録
1996年には核兵器による惨状をそのままの形で今に伝える世界唯一の建造物であり、核兵器廃絶と平和の大切さを訴える他に例をみない平和記念シンボルとして世界遺産に登録される。原爆ドームの周りには柵があり、中に入ることはできないが外からでも原爆の悲惨さを感じることができる。原爆ドーム向いには元安川をはさんで平和記念公園があり、戦争当時の様子を知るために合わせて訪れてほしい公園だ。また、原爆ドーム前から出発する遊覧船で厳島神社のある宮島まで約45分で行くことができる。