18言語に翻訳された体験記
2002年にオープンした広島平和記念公園内にある国立の施設で、原爆死没者の追悼を祈るための祈念館。入場は無料となっており、被爆者の遺品の展示や、映像での当時の状況や被害の様子を見たり、パソコンで被爆者の体験記、被爆者の証言ビデオ、広島市内の被爆前後の写真、被爆直後の動画などを検索し、自由に閲覧することもできる。体験記は18言語に翻訳されており、母国語でその体験記を読むことができ、被爆の実相を知ることができる。また、毎月第2日曜日の14:30~15:10には、英語での被爆体験記朗読会も開催されており、申し込み不要で参加できる。
原爆体験者の声を残す試み
館内を時計と反対周りに、1945年8月6日に遡っていくように地下に降りると、平和祈念・死没者追悼空間がある。当時の広島市街の焼野原のパノラマ写真が、死没者数(約14万人)と同数のタイルで表現されている。中央の水盤は、原爆投下時刻の「8時15分」を表しており、亡くなった原爆死没者を追悼するために水を捧げている。原爆死没者を追悼し、平和について考える空間になっている。その奥の遺影コーナーには、死没者の遺影写真や名前が掲示されている。近年、原爆の体験談を語る方々が高齢になってきたこともあり、語り手の声を後世に残していく目的でも祈念館は作られた。