平和を願うひとりの銀行員の思いから建てられた美術館
広島銀行の創業100周年記念事業として1978年に開館。広島市中央公園の一角にあり、前庭にはピカソの子息、クロード・ピカソから寄贈されたマロニエの木が植えられている。展示室のある円形の建物は原爆ドームをイメージしたもの。当時、銀行員だった井藤勲雄が目の当たりにした原爆は「広島に美術館を」という想いの原動力となった。
特別展のようなすばらしい作品の多い常設展示
メインホールには4つの展示室があり、ミレーやモネ、ルノワール、ゴッホ、マティス、ピカソ、シャガールといったフランスを中心としたヨーロッパ近代美術の巨匠たちの優れた作品およそ90点を収蔵。ほかの美術館では特別展などで展示されるような作品が常設展示として見ることができる貴重な美術館だ。別館の4つの展示室は日本の近代洋画約90点が展示されているほか、年に5~6回開催される特別展の展示スペースとして活用される。
広島を代表する3大美術館でアートめぐり
広島市には3つの美術館があり、それぞれ特徴がある。西日本屈指のコレクションをほこる「ひろしま美術館」は印象派の常設展示、「広島県立美術館」は1920年代から1930年代の美術をテーマにした都市型美術館、「広島市現代美術館」は現代美術を専門にデザイン、建築など幅広い分野から収集。全て近距離にあるので一度に鑑賞することができる。印象派から現代アートまで1日中アートにふれるのも楽しみ方のひとつだ。