全国でも名高い酒どころ
標高250～300mの盆地にある西条は冷涼な空気、龍王山から伏流水として流れる水など酒造りに最適な気候風土。近世の技術革新により精米機メーカーも同じ町にあり、「吟醸酒」という日本酒のジャンルが誕生するきっかけとなった町だ。西条駅前には蔵元が集まる酒蔵通りがあり、レンガ造りの煙突が連なる一帯には白壁やなまこ壁の酒蔵など歴史を感じる建物が多い。東広島駅前案内所ならびに西条酒蔵通り観光案内所では土日祝日に開放されている蔵元がわかるので事前にチェックするといいだろう。
日本酒ファンなら酒蔵めぐりを
「賀茂鶴酒造」は西条で一番大きい蔵元。“賀茂鶴特選ゴールド”は2014年に来日したオバマ米大統領も飲んだ日本酒として知られる逸品だ。「福美人酒造」は全国酒類品評会で1位を連続受賞している蔵元。蔵の中には酒を仕込むための井戸があり、井戸水を自由に汲むことができる。「賀茂泉酒造」にはカフェと売店が併設された「酒泉館」がある。飲み比べセットなど興味深いメニューも。それぞれの酒蔵では酒造りの工程を学べたり、試飲ができたりするので日本酒ファンならぜひ訪れたい。
毎年20万人を超える人出でにぎわう「酒まつり」
10月上旬に開催される「酒まつり」。全国約1000銘柄の地酒の試飲ができ、酒蔵通り周辺では各蔵元がコンサートなど趣向を凝らしたイベントを開いている。大宴会場の「美酒鍋」は東広島の郷土料理。日本酒を惜しみなく鍋の中に入れ、塩こしょうだけで味付けしたシンプルな味はお酒の飲めない人や子どもでも食べることができると人気だ。
