市街地から近いのに静寂を楽しめる寺
広島市中心部から車で10分。三滝山の中腹にある三瀧寺は奥深い山の谷間にあり、市街地からほど近い場所にありながらひっそりとした空間が広がる。広島市内が一望できる境内は全体が庭園となっており、参道には参拝者を見守るように石仏や歌碑が点在する。三瀧寺の名前の由来でもある境内に流れる3つの滝は広島の平和記念式典の献水としても使用されている。標高356mの三滝山は三瀧寺から登ることができる手ごろなハイキングコースとなっている。また境内には今も残る被爆建物として、鐘楼もある。この寺には被爆の時には、水を求めて多くの人が避難してきたといわれている。
点在する石仏群と美しい重要文化財
周囲の木々に映える朱塗りの美しい建物は広島県の重要文化財「多宝塔」。原爆犠牲者の供養のため1951年に和歌山県の広八幡神社から移築したものだ。多宝塔には国の重要文化財に指定されている「木造阿弥陀如来坐像」も安置されている。参道を歩いていると目に留まるのが石仏の多さだ。地蔵や金剛力士像、東南アジアから来た石像などその数300以上。自然に溶け込むように斜面に点在した石仏群は一見の価値がある。
紅葉を眺めることができる茶室
近場で見られる紅葉として名の知れた三瀧寺。見ごろは11月中旬から下旬で毎年11月の第3日曜日には「もみじ祭」が開催される。三瀧寺のふもとにある古民家を改装した「三滝茶屋」は会席料理を扱うお店。落ち着いた和の雰囲気で個室のある建物とレストラン部分に分けられている。レストラン部分では珍しい白わらび餅など甘味のみの利用も可能なので気軽に利用してみては。