年間300万人近くが訪れる人気のスポット
瀬戸内海に浮かぶ周囲30kmの島は古代より島そのものが神とされ信仰を集めてきた。平安時代の貴族の邸宅建築“寝殿造り”の厳島神社と天然記念物の弥山原始林は世界文化遺産に登録されており、全島の約14％を占める。鹿や猿、たぬきなどが生息し、これらの動物に街中で出会うこともしばしば。宮島は宮城の松島、京都の天橋立と並ぶ日本3景の1つであり、日本屈指の観光地。年間300万人近い観光客が訪れ、日本を代表する観光スポットとなっている。
宮島のシンボル、厳島神社
日本全国に約500社ある厳島神社の総本社。海の中に建てられた社殿や背景になる山と一体となった景観はほかに例をみない構成だ。厳島神社の本殿・弊殿・拝殿等17棟、大鳥居・五重塔・多宝塔3基からなる建造物群は6棟が国宝、11棟・3基が重要文化財に指定。日本に現存する社殿建築のなかでも創建当初の建造物の面影を現在に伝える希有な例だ。
受け継がれる伝統行事と華やかなイベント
宮島では1年中さまざまな行事が行われている。6月に行われる「管絃祭」は厳島神社最大の神事。雅楽が流れ、海を渡る御座船とともに平安絵巻が繰り広げられる。また年に数回、厳島神社では舞楽を鑑賞することができ、中でも春の「桃花祭」と秋の「菊花祭」は奉納される舞楽の数が多く見ごたえ十分だ。日本花火100選にも選ばれている「宮島水中花火大会」は宮島の夏の風物詩。海中に投げ込む花火をはじめ、約5000発の花火が打ちあがる様子は幻想的。
