400年前のお堀をどんこ船でゆっくりと巡る
福岡駅から電車で40分。約410年前柳川城築城の際に、城下町を造るために人工的に堀を掘って治水・利水のための水利体系が整備され、市内には総延長470キロメートルに及ぶ大小の掘割が網の目のように巡り、独特な水郷風景を形成している柳川。柳川の川下りは、正しくは掘割下りだ。掘割に水を溜めることで氾濫を防ぎ、農業用水や防火用水として市民の生活に役立ってきた歴史的財産。掘割が持つ情緒は多くの文人に愛され、柳川で生まれ育った日本を代表する詩人、北原白秋の詩にも詠われている。「どんこ船」と呼ばれる小型の舟に乗って、船頭さんが竿で漕ぎ出し、掘割を左右に折れながら下り、全長4.5kmのコースを約1時間かけて案内してくれる。西鉄柳川駅前には5軒の船会社が並んでおり、どれも30分毎に出発しているので予約なしで気軽に乗船できる。頭にかぶる笠もレンタル可能なので、ぜひかぶって雰囲気を味わいたい。冬には暖かいこたつを用意している船もあり、1年中楽しむことができる。堀岸には四季折々の植物が彩り、一年を通して美しい景色をゆっくりと楽しむことができる。
文豪にも愛された城下町の面影を残す町並み
川下りを楽しんだあとは、歩いてゆっくりと観光したい。国指定名勝立花氏庭園となっている柳川藩主立花邸「御花」では、藩主の邸宅や、名庭「松濤園」、松濤園を一望できるレストラン「対月館」などが楽しめるおすすめスポット。他にも、地元の詩人北原白秋の生家や、旧戸島家住宅など、城下町の面影を残す町並みや文人たちの碑を至る所で見ることができる美しい町だ。