極彩色の総漆塗が美しい舞台造りの御本殿
伏見稲荷大社、豊川稲荷とともに日本三大稲荷の一つに数えられ、衣食住の守護神として篤く信仰され、商売繁盛や五穀豊穣を願って年間300万人の参詣者が訪れる。約300年前、鹿島3代藩主に嫁いだ花山院萬子媛が京の実家から稲荷神社を勧請したことにはじまる。総漆塗の極彩色の華麗な偉容は、鎮西日光と称されており、舞台造りが特徴的。現在の本殿は、伊勢神宮造営局長の角南隆が設計して1957年に再建されたもので、3代目となる。
広大な境内の見どころ
錦波川を境として西側に本殿、神楽殿、楼門がある。楼門から北側には参集殿、更にその北側には日本庭園があり、四季を通じて美しい草花を鑑賞できる。祐徳稲荷神社には境内摂末社が、石壁神社、命婦社、岩本社、岩崎社、若宮社と5社あり、石壁神社には創建者の萬子媛をお祀しており参拝する人が絶えない。また、山の頂にある奥の院からは、鹿島市内より有明海へと続く雄大な眺めが楽しめる。隣接する祐徳博物館には、祐徳稲荷神社の宝物などをおさめるほか、鹿島錦の作品、歴代鹿島藩主の鎧兜、刀、美術品などを展示している。表参道にある門前商店街には30店舗以上が並び、土産物から郷土料理が楽しめる食事処などがある。
350年続く秋の祭事お火たき
毎年12月8日には350年続く秋の祭の神事として、「お火たき」が行われ、秋の豊作と諸行繁栄を感謝する祭り。20時に境内に設けられた「お山」に点火され、火柱が高さ約20mまで上がる。参拝客はご御神火に手を合わせて幸せを願い、火にあたると無病息災になるといわれている。