ひっそりと静まり返る雷山の中腹に建つ寺院
標高955.45mの雷山の中腹に位置する千如寺は、148年にインドの僧、清賀上人(せいがしょうにん)によって開創された。凄まじい雷鳴が響き、稲妻が天空を走り、激しい雷雨に見舞われることもしばしばあることから、古の人々が自然の畏敬の念から雷神を祀ったといわれる。千手観音堂・開山堂・開山堂横の五百羅漢を参拝でき、境内には木造清賀上人座像も安置されている。交通アクセスは車もしくは公共バスのみ。
圧巻の千手観音立像と五百羅漢
「心」という字のように見える池のある中庭「心字(しんじ)庭園」には樹齢600年の白檀(びゃくしん)の木や、四季折々の表情を見せる植物が美しく、建物のさまざまな場所から眺めることができ大変素晴らしい。木造の回廊階段を上ると観音堂がある。約700年前に作られたと考えられる「木造千手観音立像」は、頭の上に顔が11、手の数が1000、その手のひらの真ん中にすべて目がある。高さ4m63cmの白樺の一木から作られ、国の重要文化財に指定されている。さらに上に登ると、斜面には一体一体姿や表情が異なる五百羅漢がびっしりと並んでいる。秋には紅葉の名所としても有名で、室町時代に作られた庭園にある200本以上のカエデが植えられている。福岡藩主であった黒田継高が雷山千如寺大悲王院を建立した260年前に植樹したといわれる福岡県の天然記念物に指定されている樹齢400年の大カエデの紅葉が見事。