南アルプス人気ナンバー1の山
赤石山脈、通称南アルプスは長野・山梨・静岡の3県にまたがり南北120kmの間に14もの3000m超級の峰がそびえる日本一の山脈。中でも最も高い北岳は山梨県の西側に位置し、標高は3193m。甲府などからのアクセスがいいことや富士山に次ぐ高峰とあって、静かな南アルプスの中でも登山者でにぎわっている。標高が高いところまで緑地で覆われているのも南アルプスらしさ。草すべりなどの緑の中の急登、山頂付近の岩稜、大樺沢の雪渓歩きやバットレスのクライミングなど様々なルートがあるのも魅力の理由だ。
北岳を象徴する大岩壁と高山植物
「北岳バットレス」とは北岳の東面にある大岩壁のこと。山頂からの標高差は600mで南アルプスを代表する岩場だ。6つの岩稜がありロッククライミングの舞台となっている。広く高山帯にある北岳は日本有数の高山植物の宝庫で各所に花畑を作っている。北岳の固有種「キタダケソウ」は雪解けとともに開花し、6月下旬~7月上旬が見ごろ。周辺の地質は保水性と通気性を兼ね備えているため多くの高山植物が育つのだ。
変化に富んだ登山コース
北岳へのルートは複数あり、中でも最も変化に富んでいるのは丸太の階段「八本歯のコル」を経由して登るルート。雪渓を抜け、北岳バットレスを眺めながら登ると山頂に連なる花畑とすばらしい展望を楽しむことができる。初心者であれば眺望が良好で花畑が豊富な「右俣コース」がおすすめ。雪渓の通過にはアイゼンが必要な場合もあるので事前にしっかり確認したい。