広大な敷地に見どころあふれる境内
新宿から身延山直通の高速バスで約3時間30分。身延山は鎌倉時代に日蓮聖人によって開かれた山で、久遠寺は日蓮宗の総本山。日蓮聖人が亡くなる直前までの約9年間を過ごした地としても有名。広い敷地には日本3大門の1つ「三門」や「菩提梯」と呼ばれる287段の石段、本堂の天井画「黒龍」、樹齢700年を超える「御手植杉」などとにかく見どころが多い。三門から奥の院までは急斜面が続くので、無料エレベーターやロープウェイを利用するのもいいだろう。
日蓮聖人の法要に2000人の大行列
「身延山御会式万燈行列」は日蓮聖人が亡くなる際、季節外れの秋に桜がいっせいに咲きそろったと伝えられる故事にちなんだお祭り。700年以上続いている法要は毎年、命日の10月13日を含む数日間行われ、行列はメイン行事。“万燈”とは竹の柳に和紙で作った桜花を飾りつけたもので、笛や太鼓のおはやしが鳴り響くなか、満開の桜をかたどった万燈約50基、約2000人が身延山総門から久遠寺本堂までの約2kmを練り歩く。灯火をともした万燈がゆっくりと行列する様子は勇壮で華やかだ。
樹齢400年のしだれ桜
身延山は山梨県の南端にあり、県内で最も早く桜が咲く場所。見ごろは3月下旬から4月上旬で、久遠寺境内にある樹齢400年の2本のしだれ桜のほか、西谷・東谷を含む身延山全体で約300本の桜が咲く。大きく垂れ下がる枝いっぱいに淡いピンクの花をつけるしだれ桜は圧巻で、開花時期には夜桜のライトアップも行われる。