豪雪地帯、最深の「大谷」に500ｍつづく雪の道
立山黒部アルペンルートの2450ｍ地点、最も標高の高い場所に位置する室堂は、夏はトレッキングや登山など観光の拠点として人々でにぎわいを見せる。しかし、雪の季節、この一帯は世界でも有数の豪雪地帯として知られる。室堂に近い「大谷」は極めて積雪が多く20mを超えることもある。立山黒部アルペンルートの冬の名物「雪の大谷」は、この区間の道路を開通させるために雪を掘り進め作った道を言う。道の両端は巨大な雪の壁で覆われ、高さ20m、距離500mにおよぶ。道を作る作業は困難で、豪雪で埋もれた道をGPSで探しながら、ブルドーザーで少しずつ掘り進む。こうして出現する雪の季節限定の風景を一目見ようと多くの人が訪れる。特別天然記念物に指定される生物が多く生息するこの一帯では、季節で姿を変え、冬には雪のような白い羽で覆われる野鳥“ライチョウ”も貴重な姿を見せることがある。
季節限定イベント！「大谷ウォーク」で雪の壁を歩く
豪雪により交通機関が通行止めになる季節が終わり、アルペンルートが全線開通する4月中旬から6月中旬、「雪の大谷」を歩いて渡るイベント「大谷ウォーク」が例年開催される。平地では春から夏へと移行し緑あふれる季節に、この地域では一面の銀世界を楽しむことができる。「室堂ターミナル」（中央広場）で通行証を受け取ったら、そこから100mほどで「雪の大谷」入口に到着する。空にそびえる雪の壁の世界の始まりだ。時期を同じくして、5月には巨大な「雪の迷路」、6月にはそり遊びが楽しめる「雪の滑り台」など、子供から大人まで楽しめる雪のイベントも開催され、多くの観光客でにぎわう。
