江戸城を守護した日枝神社の大例祭
山王まつりは、江戸時代から続く歴史ある祭りで、神田祭、深川祭と並ぶ江戸三大まつりのひとつと言われている。江戸城の守護を司り、幕府からの手厚い保護を受けていた日枝神社の例祭として始まり、現在もその伝統が引き継がれている。歴史を感じさせる優雅で格調高い行列は王朝絵巻の世界そのもの。都心の風景の中を伝統の装束の人々が練り歩く様子は独特だ。おなじく江戸三大まつり、日本三大まつりの神田祭と、一年おきに交代で行われ、その規模、壮麗さから、日本を代表する三大祭りのひとつにふさわしい祭りだ。
歴代将軍が楽しんだ「天下まつり」
山王まつりは偶数年の6月中旬に行われる。江戸時代には山車や神輿が江戸城内に入ることを許され、歴代将軍もその様子をたのしんだことから「天下まつり」と呼ばれた。昔の王朝装束を着けた500人の人々からなる行列の神幸祭は、山王まつりのもっとも大きな見どころであろう。およそ300mの祭礼行列は、装山車、神輿が連なり美しく絢爛豪華。赤坂にある日枝神社を出発し、東京駅、日本橋、銀座などの都心を練り、皇居にも立ち寄る。およそ10日間近く行われる長い祭りの期間には、稚児の装束を身に着け子供たち健やかな成長を願う“子供まつり”や、伝統芸能の“神楽囃子、”お茶席“など様々な行事にあふれにぎやかだ。格調高い行事や、親しみやすい行事など、”祭り”は気軽に楽しみながら日本を感じる絶好の機会だ。