生き残り続けた自然の風景
東京の中心にありながら広大に残されたこの森林緑地は、付属自然教育園として“天然記念物および史跡”に指定され、自然のままの姿で保存されている庭園博物館である。この土地と人との歴史は、およそ2500年前の土器や貝塚の発見により、太古の昔から人の暮らしが始まっていたといわれている。9世紀から12世紀の平安時代には水田が開墾され、6世紀中世室町時代には豪族が住み館が建てられた。17世紀江戸時代においては大名の屋敷として庭園も造られていた。園内の古い松の木”物語の松“や”おろちの松“などは、その大名庭園の時代に植えられていたものの名残と言われている。現在では、他の植物園や庭園とちがい“できるだけ自然の本来の姿に近い状態で残す”という考えのもと保存され、都心の風景とはおもえない自然豊かな風景が広がっている。
東京の真ん中にある自然の宝庫
閑静な住宅街の一角にあるこの園内には、落葉樹や常緑樹が自然のままの四季折々の美しい風景を作り出し人々に安らぎを与えている。ススキやヨシの生える草はら、水辺の池、園内を流れる小川、その静けさと水の音に耳をかたむければ、ここは別世界、東京にいることを忘れさせてくれるだろう。自然に生息する昆虫や野鳥を観察しながら園内をゆっくり散策し、山野草が自然に咲く美しい風景をたのしみながリラックスしてすごそう。 自然教育園では、日曜観察会など、人々が自然をより身近に感じ理解を深めるための教育活動も積極的に行われている。