標高900m、低温強風の自然が作る杉林の歴史
金山で栄えた江戸時代、金の精製に使う薪の確保のため、佐渡の山林は幕府に管理されていた。しかし、島独特の強風や雪で歪んだ木は、製材として使えず、伐採されずに残った。長い年月を経て自然が作り上げた佐渡独特の杉林は、やがて佐渡固有の風景となり、保護されるようになった。2011年には天然林の一部を整備し遊歩道が完成。気軽に楽しめる森林散歩として人気をよび、出口付近の展望台からは雄大な景色も楽しめる
遊歩道で見られる代表的な5本の天然杉
徒歩1時間ほどで回れる遊歩道には、推定樹齢300年の杉もあり、中でも特徴ある5本のシンボルツリーが大きな見所となっている。
象牙杉:
周囲9.6m 樹高18m マンモスの牙の様な、大きく曲がった枝が特徴的。
四天王杉:
周囲12.6m 樹高21m 4本の木が根元でつながり悠然とそびえる。遊歩道脇の坂道にあり、見逃しやすいので注意。
大黒杉:周囲3.5m 樹高19m 風雪の影響を受けず、まっすぐに育った杉。遊歩道の中間地点にある。
家族杉:周囲6.3m 樹高16m 1つの幹から分岐した5本の木が家族のよう。
羽衣杉:周囲6.2m 樹高18m 優雅に湾曲した枝が着物を広げた様に美しい。
遊歩道入口へのアプローチ
遊歩道入口へは、標高830m地点の駐車場から「県有林作業道入口」を通っていく。(トイレは駐車場に設置されたもののみ。)「県有林作業道入口」から「遊歩道」までは、徒歩約15分の長い上り坂になっている。遊歩道は歩きやすい散策路となっており、見どころの5箇所の杉には、名称がプレートで表示されている。