自然に守られた聖なる空間
那覇空港から車で50分ほど。「斎場(せーふぁ)」は最高、「御嶽(うたき)」は琉球王国が決めた聖地の総称で、斎場御嶽は“最高位の聖地”という意味。琉球の最高神女であった聞得大君(きこえのおおきみ)就任の儀式が行われ、琉球王朝時代には国家的な祭事も行われてきた。御嶽は偉大なる存在で光は未来、緑は現在、岩は過去とされている。大きな建物やご神体はないが、5感をフル活用してパワーを感じ取ってほしい。
“イビ”と呼ばれる6つの神域
斎場御嶽には“イビ”と呼ばれる神域が6カ所あり、そのうち大庫理(うふぐーい)・寄満(ゆいんち)・三庫理(さんぐーい)はいずれも首里城内にある建物や部屋と同じ名前を持つ。ここがどれだけ重要な場所であるかが分かるだろう。1番の見どころは6番目の拝所、2つの大きな岩が絶妙なバランスで支え合う三庫理。その間をぬけると見える岩に囲まれた空間には神が降臨すると言われており、空気がガラリと変わるのを感じる。
男子禁制だった斎場御嶽
琉球の信仰では神に仕えるのは女性とされるため斎場御嶽は男子禁制だった。一般男子は入り口まで、琉球国王でも途中までしか入れなかったほど神聖視されていたのだ。今は誰でも入ることができるが神聖な場所であることに変わりはなく、静かな気持ちでほかの人の祈りを遮らない、神具に触れない、順路を歩くなど基本的なマナーを守って聖域を見守っていきたい。入り口付近はやや足元が悪く、急な傾斜や階段もあって滑りやすいので歩きやすい服装がおすすめだ。