巨大な帆船にたとえられた全景
那覇空港から高速道路を利用して1時間。沖縄本島の東海岸にある勝連半島の東西に細長く延びた形で築かれた勝連城。手前の広場から城の全景を正面からとらえることができ、青空を背景に丘の上にそびえ立つ姿は巨大な帆船にたとえられている。これは海外交易が盛んだった勝連城をうまく表している。北西の最後部から1の曲輪(くるわ。城郭内にある区画のこと)、2の曲輪、3の曲輪、4の曲輪と各平場が階段状に低くなっており、城跡の道をはさんだ向こう側にある休憩所には、出土した遺物や勝連城の復元模型も展示されている。
高低差を活かした城づくり
勝連城は4つの平たん地を階段状に配置した悌郭式と呼ばれる様式の城。自然の地形をたくみに利用しながら城壁をめぐらせ、切り立った断崖のきわまで石垣を積み上げているのが特徴的。重要な政務を執っていた2の曲輪の舎殿跡や押し寄せる大軍をしのいだ標高差20mの4の曲輪の大階段、産業用水として使用されていた4の曲輪の井戸などさまざま工夫が凝らされていたことがわかる。
360度の大パノラマが広がる最上部
標高98mの最上部は視界が360度に広がる景勝地。北は金武湾を囲む北部の山々やうるま市の離島、振り返ると知念半島や久高島、中城城跡などを一望することができ、まるで海に浮かんでいる城のようだ。勝連城は山を利用してつくられているため急こう配が続き、特に石段の表面は滑るので上る際には注意したい。