曲線で構成された城壁の美しさが魅力
那覇空港から一般道で約1時間。県内に300余りある城の中で最も多くの遺構がそのまま残されており、2000年に世界遺産に登録された「琉球王国のグスクおよび関連遺産群」の1つとなっている。中城城は琉球が海外交易で栄えていた14世紀~15世紀に築かれ、断崖と急こう配の斜面には丘陵の尾根沿いにある正門や裏門しかなく、守りやすく攻めにくい戦国時代特有の構造だ。特徴は自然の地形を巧みに利用した美しい曲線の城壁と3種類の石積み技術。現地調査のため1853年に来島したペリー提督も石造建築のすばらしさを賞賛している。
すばらしい眺望
中城城跡は北東から南西方向にむけてほぼ一直線に伸びている丘陵の上に築かれた山城。東側に太平洋、東シナ海、さらに北に勝連半島、南には知念半島まで眺めることができ、晴れた日には遠く慶良間諸島まで見渡せる。東側に面した郭外壁側の広場では日の出を見ることができ、毎年元旦は観覧時間が早まるため初日の出を見る人でにぎわう。
冬に咲く黄色い花との美しいコントラスト
中城城跡は「ツワブキ」と呼ばれる黄色い花の名所としても知られ「美ら島おきなわ・花と緑の名所100選」にも選ばれている。11月中旬~1月中旬が見ごろで冬に咲く満開の花には南国の蝶や野鳥も多くやってくる。毎年12月下旬には「中城城ツワブキまつり」が行われ、琉舞の観賞や三線太鼓の体験など沖縄の伝統芸能を楽しむことができる。