映画やドラマにも登場する小江戸、佐原
千葉県北部の佐原は古くから水郷の町として栄えた。町を南北に流れる小野川沿いと香取街道沿いには古い商家が建ち並び、映画やドラマの撮影にも数多く登場する日本情緒あふれる町だ。日本で最初の実測地図を作り上げた伊能忠敬ゆかりの地としても知られる。このような歴史景観を残し、またそれを活かしたまちづくりに取り組んでいることが認められ関東で初めて「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。昔からの家業を引き継いで現在も営業を続けている商家が多く、「生きている町並み」として評価されている。
地元の人々によって守られている文化と歴史
商家のおかみさんたちによって結成された「佐原おかみさん会」の運営で、佐原の町をまるごと博物館にしてしまおうという活動がある。「まちぐるみ博物館」だ。42のお店が各家に残る古い道具類や暮らしぶり、伝統の味や技、コレクション等、自慢の宝をそれぞれの家で公開し、訪れた人に楽しんでもらおうというもの。年間を通した常設展のほかに3月には「雛めぐり」、5月には「五月人形めぐり」、お正月には「お正月かざり」の企画展も行っている。 国指定重要無形民俗文化財に指定されているお祭り「佐原の大祭」。300年の歴史あるお祭りで7月の夏祭りと10月の秋祭りの2回行われる。関東3大山車祭りと称される華麗な山車には重厚な彫刻と高さ4mにもおよぶ大人形が飾られる。リズム中心の一般的な祭り囃子とは異なる情緒的なメロディーが主体の「佐原囃子」は日本3大囃子の1つ。