富士山のふもとに点在する溶岩洞窟
富士山の北西、西湖周辺に広がる青木ヶ原樹海は日本で唯一、溶岩上に形成された原生林。富士山の溶岩流によって数多くの溶岩洞窟ができ、その約半数が青木ヶ原樹海内にある。なかでも鳴沢氷穴、富岳風穴は国の天然記念物に指定されており、富士山周辺の観光スポットとしても人気。洞内の平均気温は3度で、夏でもひんやりと涼しい。
起伏に富んだ竪穴型の鳴沢氷穴
鳴沢氷穴は総延長153m、高さ1m~3.6m。環状になっているため内部を1周することができる。見どころは天上からしみ出した水滴が凍ってできた氷柱。標高1000mの場所と樹海の中という環境で夏でも溶けることはない。4月ころにもっとも成長し、年によっては直径50㎝、高さ3mもの氷柱を見ることができる。そのほか、江ノ島まで続いているといわれる地獄穴や地面、壁、天井にいたるまで氷におおわれた氷の池などがある。
子どもでも歩きやすい横穴の富岳風穴
鳴沢氷穴から車で約5分。富岳風穴は総延長201m、高さ8.7mの横穴で、年間を通じて気温が一定しているため、明治時代までは蚕種の貯蔵庫として利用されていた。所要時間およそ15分の見学コースは子どもや高齢の人でも歩きやすく、夏でも溶けない氷柱や溶岩棚、縄状溶岩、岩壁に青白く光る光り苔などを見ることができる。周辺にはレストランも併設されており、富士宮やきそばや吉田のうどんなどご当地グルメも味わえる。